2006年09月27日

ミュージカルは音楽でストーリーを伝える演劇

前々回の時に「演技に重ねて音楽を流すのはよくない」と書きましたが、逆に音楽と歌で観客の感情を起こしていく演劇を歌劇(オペラ)といいます。そしてオペラを現代にマッチしたわかりやすい形式にしたものをミュージカルといいます。

ミュージカルの場合が普通の演劇と違うのは演技の代わりに歌で役者の気持ちや「行動の目的」を伝えるところです。もちろんミュージカルの中にも普通のセリフの部分は演技が大切ですが、歌の部分は歌でどのくらいのものが伝えられるかが大切です。

ミュージカルで歌を歌う場合はその歌が何のための歌かをよく分析してください。ミュージカルの中の歌は必ずその劇の中である目的を果たしています。多くの場合はそれぞれの歌は歌っている役の気持ちを伝えたり、他の役に何かを働きかけたりしていることが多いです。自分が歌う歌がきまったらその歌の目的をよく考えてそれを達成しようという気持ちをこめて歌を歌うようにすることが大切です。

また歌はやはりうまいへたがあります。これはいかんともしがたいことです。どんなに歌の中に気持ちがこもっていても音痴な人の歌は聞いていられないことも事実です。ですからミュージカルでオーディションをやる場合、演技のオーディションといっしょに、歌のオーディションを必ずやって演技も歌もこなせる人を選ぶようにしてください。







methodacting at 00:46|PermalinkTrackBack(2)clip!アクティング 

2006年09月25日

シーンチェンジには音楽を入れると良い

前回演技に重ねて音楽は使わないほうがいいといいましたが、シーンチェンジの間は逆に音楽を入れたほうがいいことが多いです。

ドラマにとって大切なことはテンションをクライマックスに向けてどんどん上げていくことですがシーンチェンジはテンションが最も落ちやすい時間です。もしもシーンチェンジの間聴衆を真っ暗な中で待たせるとせっかくストーリーでもりあがってきたテンションが落ちてしまいます。ですからシーンチェンジの間どうやってテンションを下げないかを考えなければいけません。

よく使われるのはシーンチェンジのの間音楽を流しておくという方法です。聴衆に音楽を聞かせておくことによってテンションが下がるのをある程度くいとめることができます。

入れる音楽はシーンチェンジの前のシーンのムードを反映したものか、次のシーンを予期させるようなものがいいと思います。また音楽のかわりに適切な効果音を入れてもかまいません。

シーンチェンジはできるかぎり20秒以内におさえるようにしてください。シーンチェンジは静かに手早くするべきです。スムーズにシーンチェンジができるように何度も何度も練習することが大切です。

またシーンチェンジの前後のシーン間の時間的経過が短いときは短めのシーンチェンジ、長い時間が経過している場合は多少時間をとったシーンチェンジにするとドラマ全体の流れにマッチして抵抗が少ないと思います。

2006年09月23日

演技に重ねて音楽は使わない

舞台劇をやる場合よく演技に重ねて音楽を流すグループがあります。たぶんTVや映画の影響だと思いますが舞台劇では演技に重ねて音楽を使うことはあまり奨励できません(ミュージカルは別です)。今回はなぜかについて説明してみたいと思います。

最初の理由は舞台劇の場合、役者が音楽の影響を受けてしまうことが上げられます。TVや映画の場合は音楽は演技を撮り終えた後それにあわせてあとからアフレコで入れられます。ですから役者は演技をしているときに音楽の影響を受けることはありません。しかし舞台劇の場合、演技の最中に音楽を流すと役者はその音楽の影響を受けてしまいます。これはリアリティを追求するメソッド演技法の観点から見るとあまり良いこととはいえません。

また舞台劇の場合はその都度変わる役者の感情にあった音楽を探すことは難しく不可能に近いです。結果として演技から得られた繊細は感情を音楽が打ち消してしまうことになりかねません。TVや映画の場合は音楽は映像が出来上がった上でそれにぴったりあったものを作って入れるので問題がないですが、舞台劇の場合はその都度かわってくる役者の感情にあった音楽を入れることは至難のわざです。結果として役者が感じている感情とは別物の音楽がその背景に流れることにより音楽が役者の感情のじゃまになってしまうのです。

演技から得られる感情は非常に微妙なもので1秒一秒変化しますが、音楽がもたらす感情はどちらかというと一本調子です。絵画にたとえれば演技の感情はいろいろな色が微妙にまざり絶えず変化する繊細なものなのに音楽を流すことによって音楽のどぎつい色がその上に重ねて塗られてせっかくの演技の繊細な色が台無しになってしまうようなものです。

ですから舞台劇の場合は演技に重ねて音楽を流すのは極力さけてください。観客は役者の演技を感じに来ているのであって音楽を聴きに来ているわけではないのですから。

2006年09月18日

「行動の目的」を強める「行動の理由」を考える

ここまで状況(situation)の4つの要素(Where? When? Who? What?)について説明してきましたが皆さんの中にはもうひとつのWであるWhy?は必要ないのかと思われる方もいらっしゃると思います。そこで今回はWhy(行動の理由)について考えてみたいと思います。

以前説明したように演技で大切なのは「行動の目的」を見つけそれを達成しようとすることです。そしてその達成しようという意欲が強ければ強いほど演技はよくなります。その意欲を高める材料がWhy?(行動の理由)です。

そのシーンでの自分の目的を決めたら「なぜそれをしたいのか?」または「なぜそれをしなければならないのか?」を考えます。その理由は自分が行動する意欲を高めるものでなければいけません。

行動の理由は脚本に書く場合と書かない場合があります。

主役や準主役の「行動の理由」は見ている人にもはっきりわからなければいけません。そうでないと主役や準主役の気持ちがうまく伝わりませんから。ですから「行動の理由」の中で聴衆に知っておいてもらいたい情報は脚本の中に書き込んでやることが必要だと思います。

脇役やチョイ役はおそらく時間的に脚本に「行動の理由」を書く余裕はないと思います。その場合でも脇役やチョイ役になった人は行動の意欲を高める「行動の理由」を自分で考えださなければなりません。そのことによって聴衆は脇役やチョイ役の演技にリアリティを感じることができるからです。

適切な「行動の理由」を見つけることは良い演技をするためにとても大切です。演出家になった人は役者の人に「なぜそれをしたいの?」「それをしないとどんなことになってしまうの?」などの質問を投げかけ「行動の目的」の意欲を強める「行動の理由」を見つける手助けをしてあげてください。




2006年09月17日

状況4 登場人物は何をしようとしているのか?

以前「本物の感情を得るには」のところで「役者は行為の目的を明確にすることが大切だ」と書きました。

良い脚本というのはこの行為の目的が明確に書かれています。「それぞれの登場人物が何をしようとしているのか」がはっきりしている脚本はとてもわかりやすいです。逆にこれが明確でないと舞台に出てきたそれぞれの役はいろいろなことを話したり、やったりしているのだけれど何かぼんやりしていて起きていることがよくわからない脚本になってしまいます。

「ストーリーの基本形はこれだ」でも書きましたがドラマをもりあげる基本的な様相は葛藤です。葛藤は行為の目的(登場人物のしようとしていること)が互いに対立しあうことによって生まれます。ですから行為の目的がはっきりすればするほど、葛藤も明確になります。その結果ドラマ全体が生き生きしてくるのです。

またシーンの中で脚本に行為の目的がうまく書かれていると役者は何をすればいいのかわかりますから自然に演技も良くなります。良い脚本があればある程度の演技の未熟さはカバーできるのです。

よくシナリオの世界では「映画は演技、TVはシナリオ」といいます。映画の場合はじっくり時間をかけて撮るので役者も演技を深めることができます。しかしTVの場合は時間がないのである程度表面的な演技でもどんどんすすめていかなければいけません。そこでシナリオ(脚本)の明快さが必要となってくるのです。シナリオの明快さとはそれぞれの役の行為の目的を誰もがわかるようにクリアーに書くということによって生まれます。

脚本でそれぞれのシーンを書き終えたらそれぞれの役が何をしようとしているのかわかるか第三者の目でチェックしてください。登場するすべての役の行為の目的がはっきりわかるようになっていますか?

2006年09月16日

脚本に書かれていない部分は役者は自分で補わなくてはいけない

前回、役によって脚本に書かれなければいけない情報量は違ってくるとお話しました。しかし実際に役者が演技をするときは自分の役に関する完全な情報がないと深い演技はできません。

例えば自分の役がチョイ役の「通行人1」だとします。ストーリーの中では主人公に道を聞かれそれに答えるだけです。しかし、通行人1の短いせりふを覚えて、それを舞台でしゃべるだけでは本当に演技はできません。ストーリーの中ではチョイ役ですが、「通行人1」には「通行人1」の人生があるはずだからです。

「通行人1」の名前は何ですか?歳はいくつ?どんな仕事をしているの?どんな家族がいますか?今日はどこから来て、どこへ行く途中ですか?そこへ行く目的は何ですか?今手持ちの荷物は何ですか?話しかけれた主役についてどう思いますか?それはなぜ?

ちょっと考えただけでもこれくらいの情報はないとまともな演技はできません。これらの情報は脚本には書かれていないのですから「通行人1」になった人は自分で考えてその情報を補ってやらなければいけません。これができているといないでは演技の深さは全然違ってきます。

主役→準主役→脇役→チョイ役 と脚本に書かれている情報量は少なくなりますから逆に言えばこの順で役者自身が考えなければいけない自分に関する情報量は増えてきます。それだけ大変だということです。私は「通行人1」でたいした役ではないから適当にやればいいんだというようではいつまでたっても演技はよくなりません。「どんな役が来ても手を抜かないで最高の演技を目指すこと」それをする人は必ず演技が上達します。そしてそれはいつかは認められ主役の座を射止めることができるのです。

こうように自分に関する情報を作って統一された1つの人格をつくりあげる作業をアクティングでは「性格作り(characterization)」といいます。主役からチョイ役まで一人ひとりがきちんと「性格作り」ができているグループは演技のリアリティが違います。


methodacting at 10:58|PermalinkTrackBack(0)clip!アクティング 

2006年09月14日

登場人物についての情報はどのくらい必要か?

前回、登場人物がどんな人間かわかるための情報をスクリプトに書き込んでやらないと聴衆にはわからないということをお話しました。今回はどのくらいの情報が必要かについて考えてみたいと思います。

登場人物についての情報はその役のストーリーの中での役割によって違ってきます。

主役に関しては性格や、育った環境、夢や野望、まわり人間に対して感じていることなどできるだけ多くの情報をスクリプトの中に盛り込むようにします。そのことによってドラマを見ている人は主役のことを深く理解できるようになるからです。

主役に敵対する準主役もやはり、主役に匹敵する多くの情報が必要です。特に大切なのは主役に対する気持ち、主役に敵対する動機なので、そこのところをはっきりさせるようにします。

主役や準主役の周りにはいろいろな役割を持った脇役がいます。脇役に関して大切なのは主役や準主役との関係です。脇役は主役や準主役になんらかの影響を与えているはずなので影響を与えている部分を中心に書きます。

最後にストーリーの展開のために補助的に登場するチョイ役がいます。チョイ役はその場面場面でなんらかの必要な役割を果たしているはずなので、その部分がはっきりわかればそれでOKです。

主役→準主役→脇役→チョイ役 となるにしたがって脚本に書かれる情報量は少なくなります。スクリプトに書ける情報量は限られているのでドラマを展開させるのに必要な情報は入れ、必要ないものははぶいて過不足のない脚本を書くようにしてください。



methodacting at 18:58|PermalinkTrackBack(0)clip!

2006年09月11日

状況3 登場人物は誰か?

状況の3番目の要素は登場人物の説明です。そのシーンに出てくる登場人物がどんな人間かがわからないと見ている人は混乱します。

登場人物は最初に出てきたときにどんな人間かがわからなければなりません。わざと登場人物を謎にしてドラマがすすむにつれてだんだんその人間のことがわかるようにすることもありますがこれは例外で、基本は最初に出てきたときに基本的な事項はクリアーにするのが原則です。

登場人物の基本的な要素には以下のようなものが含まれます。

1.年齢は?
2.職業は?
3.他の人との関係は?

それぞれの要素について考えてみたいと思います。

年齢を示すにはメイクや髪の色、しゃべり方、歩き方などが大切です。若い人が老人の役をしたり、大人が子供の役をする場合、それが十分にわかるような工夫をしてください。年齢は発表の当日だけ変えようとするととってつけたようになりますからリハーサルの時から自然にその年齢が感じられるように演技の練習をするようにしてください。

職業に関しては衣装でわからせることができる場合も多いです。しかしだからといってどこでも職業をわからせる衣装を着ることは考えものです。例えば警官の人でも家でくつろいでいるときや、彼女とデートしているときは制服のわけはありませんね。衣装はその場その場にあったものにしなければなりません。

登場人物で大切なのはその役と他の人の関係です。親子なのか、兄弟なのか、友達なのか、上司と部下の関係なのか、他人なのか?そうしたことがすぐわかるようになっていますか?他の人との関係は、その人に対する態度や名前の呼び方などでだいたいわかりますからスクリプトを書くときにきちんとわかるように書くことが大切です。

登場人物が初めて登場したときはその人のことは聴衆は何もわかっていないということを前提にスクリプトを書いてください。自分は情報を持っていてもそれを脚本の中に書き込んでやらないと聴衆には何もわからないということを常に頭においておくことが重要です。


methodacting at 17:40|PermalinkTrackBack(0)clip!脚本の書き方 

2006年09月10日

状況2 場所をわからせるための方法

状況の2番目の要素は場所です。そのシーンはどこの場所なのかを見ている人にわからせなくてはなりません。場所をわからせる方法で普通すぐ考えるのは舞台装置です。

映画やテレビの場合は実際の場所に行って撮影をするのであまり問題がないのですが、舞台劇の場合には舞台にそれほど多くの大道具や小道具を持ち込むわけにいかないのが悩みのたねです。なぜなら映画と同じように場所を見せようとしてたくさんの大道具を持ちこむとシーンチェンジが大変になるからです。

大切なのは「いかに少ない舞台装置で場所をわからせるか」ということです。そのためにはその場所をシンボル的に示す最適の道具を考えなければなりません。

私は舞台装置は少なければ少ないほどいいと思っています。数少ない舞台装置を効率よく使って聴衆の想像力をうまくひきだし場所をわからせるのが本当の演劇です。現実の世界にあるものを全部舞台に持ち込もうとすのは演劇の世界では堕落した演劇とみなす人もいるくらいです。ですから大道具をたくさん舞台に持ち込むと逆に評価が下がりますから気をつけてください。

場所を示すのは舞台装置だけではありません。例えば効果音なども有効です。どんな音が聞こえているかでそこがどんな場所かをわからせるのはとても良い方法です。波の音が聞こえればそこが海だということがわかりますし、子供の遊ぶ声が聞こえれば公園だということがわかります。効果音はシーンチェンジも必要ありませんから舞台装置よりずっと楽です。

そのシーンの登場人物がどんなことをしているかで場所をしめすこともできます。看護婦さんや手を怪我した人が歩いていれば病院だし、制服を着た学生が通り過ぎれば学校だということはすぐわかります。人間は舞台装置と違って自分で動けますからシーンチェンジの問題はずっと減ります。

他にも工夫すればいろいろなことが考えられると思います。舞台装置を極力使わないで場面をわからせるクリエイティブなアイデアを探してください。

methodacting at 14:29|PermalinkTrackBack(0)clip!脚本の書き方 

2006年09月09日

状況1 時がはっきりわかるか?

前回、話がわかるためには各シーンの状況がわかることが大切だということをお話ししました。状況というのは以下の要素からできてきます。

When? (時はいつか?)
Where? (場所はどこか?)
Who? (登場人物は誰か?)
What? (登場人物は何をしようとしているか?)

それぞれの要素について説明してみたいと思います。今回はまず時についてです。

時にはいろいろなものが含まれます。例えば

1.時代はいつか?(現在なのか?20年前なのか?200年前なのか?それとも未来なのか?)
2.季節はいつか?(春なのか?夏なのか?秋なのか?冬なのか? 寒いのか?暑いのか?)
3.時間はいつか?(朝なのか?昼なのか?夕方なのか?真夜中なのか?)

などが考えられます。

われわれは映画やTVドラマをなんとなしに見ているので気がつきませんが、プロが書いたスクリプトは必ずこうした時がはっきりわかるように工夫がほどこされています。今度、映画を見るときは「なぜ時がわかるのか?」を考えながらよく見てください。いろいろなことに気がつくと思います。

時に関してはまず最初のシーンの時をあらわすのが最も難しく大変です。季節や時間は照明や衣装などでなんとかわかりますが、時代は舞台装置や衣装だけでは必ずしも細かいところまでわからないこともあります。映画の場合は字幕などで出してしまうことも多いですが、舞台の場合にはそれもできません。ナレーションを使うのも一つの方法ですが、できればナレーションなしで衣装やセリフでわからせたほうがよりベターです。フィニックスの場合、ドラマが始まる前に先生がストーリーの簡単な紹介をする時間がありますから、その中で時代背景などについて話してもらうのもひとつの方法です。

次に大切なのはシーンとシーンの間にどのくらいの時間がたっているかをはっきりわからせることです。10分後なのか?3時間後なのか?その日の夜なのか?翌日なのか?1週間後なのか?3年後なのか?そうしたことが見ている人にはっきりわかりますか?はじめてそのドラマを見た人の気持ちになってひとつひとつチェックしてみてください。わからなければどうやったらそれをわからせることができるかをいろいろ工夫してみてください。



methodacting at 13:34|PermalinkTrackBack(0)clip!脚本の書き方 

2006年09月08日

ストーリーがわからないのは状況がわからないから

脚本の良し悪しを決める上でまず大切なことはストーリーがわかるということです。ストーリーがわからなければ脚本をおもしろい、つまらないを判断する土俵の上にも乗れません。ストーリーがわかるというのは脚本の最低限の条件です。しかし、実際は多くのグループがストーリーがわからないスクリプトを書いているのが現実です。

ではストーリーがわからないのはなぜでしょう?それはそれぞれのシーンの状況(situation)がわからないからです。

フィニックスのドラマは2時間くらいの長い話を30分に短くしてやることが多いですが、その場合もとのスクリプトのあちこちのセリフを切り貼りしただけでシーンを書いていくともとのスクリプトには入っていた状況を説明するいろいろな要素が欠落してきます。すると各シーンで何が起きているのかが聴衆にわからなくなり、結果としてストーリーがわからなくなってくるのです。ですからストーリーがわかる脚本を書くためにはそれぞれのシーンの状況がはっきりわかるようになっているかを一つひとつチェックしていく必要があります。これができているかどうかが「まともな脚本」を書けるようになる第一歩だと思ってください。

methodacting at 07:29|PermalinkTrackBack(0)clip!脚本の書き方 

2006年09月07日

シーンごとにシノプシスを書いていく「箱書き」

ドラマのタイトルが決まったら次はシーンごとに何がおこったか「あらすじ」を書いていきます。「あらすじ」のことは英語ではsynopsis(シノプシス)といいます。

最初からすぐにセリフを書き始める方がいますがこれはよくありません。建物を建てる時にまず設計図を描くように脚本の場合もまずどんなものにするのか全体の構造を決めなければいけません。これにあたるのがこの「シーンごとに何がおきるのかを決める作業」です。シーンごとに枠で囲んで書いていくので日本ではこの作業のことを「箱書き」ということもあります。

「箱書き」はそれぞれのシーンごとにその状況(situation)を決めていきます。状況とは(場所はどこか? 時はいつか? 誰がでてきて 何をするか?)という要素で構成されます。この状況というのはスクリプトを書く上でとても大切です。状況さえはっきりしていればセリフや動作は自然に決まってくるものです。

この「箱書き」の作業はメンバー全員がかかわってやるようにしましょう。グループによってはスクリプトメンバーを決めてその人達だけで脚本書きをするところがありますが、私はよくないと思います。なぜなら一部の人だけが書いたスクリプトは他のメンバーが全体を理解していないことが多く、自分のセリフの部分だけを覚えているだけということになってしまう可能性があるからです。ですからシノプシスの検討は多少時間がかかってもメンバー全員でやるべきです。全員がドラマの全体構造がどうなっているのかをはっきりわかっているかどうかでドラマのメッセージの伝わり方はずっと違ってくるはずです。

methodacting at 22:11|PermalinkTrackBack(0)clip!脚本の書き方 

2006年08月12日

脚本は主役に感情移入できるように書こう

前回はストーリーの基本形についてお話ししましたが、そこで説明したようにストーリーを考える場合、「主役は誰か?」を明確にすることはとても重要です。なぜならストーリーは主役の体験を観客に共有してもらうために書くものだからです

ストーリーはメインキャラクター(主役)が登場し、いろいろな体験をしていきます。観客は知らず知らずのうちに自分と主役を同化し、主役といっしょにその体験を共有していくのです。ですからストーリーは観客が主役と同化して感情移入できるように書かなければいけません。

もしも観客が主役と自分は違う存在だと感じ、「なんでこいつはこんなことをやっているのか」と主役を外から見てしまうようになると脚本としては失敗ということになります。「自分が主役と同じ立場だったらそうするな」とか「この人の気持ちはよくわかる」というように感じられるように書くことがとても大切です。

他の役にどんなに共感できても、主役に共感できないドラマは失敗作だということをよく覚えておいてください。

methodacting at 12:32|PermalinkTrackBack(0)clip!脚本の書き方 

2006年08月08日

ストーリーの基本形はこれだ!

今回は脚本を書く上で最も基本になるストーリーの基本形についてお話ししたいと思います。以前お話したように脚本を考える上でドラマ全体の構造を考えることはとても大切です。このストーリーの基本形はドラマ全体の構造をつかまえるのにとても役にたちますから是非覚えておいてほしいと思います。例外もありますがストーリーは以下のような形になることが多いです。

まずストーリーの中で主人公が登場します。この主人公をドラマの世界ではprotagonistと呼びます。主人公はストーリーの中で何が達成しようという目標をもちます。そしてその目標を達成しようと努力します。しかし、そこにその目標達成のじゃまをするものがあらわれます。それは他の登場人物であったり、環境であったり、主人公の心の中の敵であったりします。これをantagonistと呼びます。このじゃまもののおかげで主人公は目標を達成できずにそこに葛藤(conflict)が生じます。主人公はひとつひとつの葛藤を乗り越えていきこの葛藤がドラマをもりあげる原動力になります。

ですからお話しを選ぶ際に以下のことを考えてください。

1.主人公は誰か?

2.主人公はどんな目標を達成しようとしているか?

3.目標をさまたげているものは何か?

4.その結果どんなどんな葛藤が生まれているか?

たいていのお話にこの基本形はあてはまりますから自分の選んだストーリーの場合はどうなっているか考えてみてください。

ここらへんがはっきりわかることがドラマ全体の構造をつかまえるのにとても大切です。

methodacting at 23:08|PermalinkTrackBack(0)clip!脚本の書き方 

2006年08月07日

本物の感情を得る方法とは?

前回のメルマガでメソッド演技上の目的は「本当の感情を得る」ことだとお話しました。ではどうやったらいいのでしょうか?

1.感情を求めずに行為の目的を達成しようとせよ

演技法がわかっている演出家は「そこでもっと怒って」とか「楽しそうにして」とか最初から感情を求めるようなことはしません。彼らが指導するときは「あなたは何をしようとしているのか?」という質問を役者になげかけ「役者の行為の目的」をはっきりさせようとします。

この「行為の目的」は英語ではpurposeとかobjectiveとかintentionとかいろいろな言葉で表現されてますが、要は「自分が今何をしたいのか」ということです。この「行為の目的」を懸命に達成しようとすれば感情はそれにしたがって自然に生まれるということを利用します。

例えば「髪型をかえた奥さん」が「旦那さんにそのことを気づいてほめてもらいたい」という「目的」を達成しようとしればその動作や言葉のなかにいろいろ自然にいろいろな感情が入ってきます。

2.アクティングとはリアクティング(反応)である

次に大切なことは本当の感情はリアクティング(反応)のときにおこるということです。自分が何かをしようとしたときに相手がそれに反応します。するとその反応に対して自分の中に自然にいろいろな感情がおきます。これが本当のリアクティング(反応)です。

例えば前の例で「旦那さんは奥さんの髪型が変わったことに気がつかずに、うわの空でいたとします」そうすると奥さんの中で「怒り」の感情や「悲しい」感情が生まれるかもしれません。逆に「旦那さんがすぐに髪型に気づいて「とてもいいね」とほめたとすると奥さんはとても「うれしくなる」かもしれません。これが本当の感情です。

問題は即興でやる場合には新鮮なので感情はおきやすいのですが、せりふを覚えて演技する場合はマンネリになってだんだん感情が感じられなくなってくることです。マンネリにならないためにはとにかく集中して相手の言っている言葉やその感情を一生懸命の受け止めるように努力することです。


今回はアクティングの概略を単純化してお話しました。具体的な詳細は別の機会に説明してみたいと思います。


methodacting at 22:46|PermalinkTrackBack(0)clip!アクティング 

2006年08月05日

本物のアクティング(演技法)とは?


アクティングについてもこれからいろいろ説明していきたいと思っていますが、まず初回はアクティングのイメージをつかんでいただこうと思います。

アメリカではいわゆるメソッド演技法というのが定着しており、いろいろな演技学校でこの方法で演技が教えられています。この方法は日本で教えられている演技法とはかなり違っています。

日本ではよく演技の指導をするときに「もっと感情をこめて!」とか、「そこは悲しそうに話して」などと指導することが多いですが、あちらではこうした指導は間違っているとされています。なぜならそうやって言葉にこめられた感情は本物の感情ではないからです。

メソッド演技法は役者が感じている感情が本物であるかどうかを重視します。「うれしいふりをしている」のか本当に「うれしいのか」、「悲しそうにしているだけなのか」本当に「悲しい」のかでは大きな違いがあります。そして「本物の感情を感じられるようにする」のがメソッド演技法の目的となっているわけです。

いったん本物の演技法を知ると、これまで見てきた「ふりをするだけ」の演技法を見ると「白々しく」感じるようになります。日本のテレビドラマの演技などはそうした表面だけのものが多いのは残念です。

次回はどうすれば本物の感情を感じることができるのかについて書いてみたいと思います。


methodacting at 21:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!アクティング 

2006年08月03日

脚本は全体の構成から考える

脚本を書く上でまずやらなければいけないのはストーリー全体の構成を考えることです。決してセリフをすぐに書き始めたり、映画をディクテーションしたり、すでにある長いスクリプトからどこを使うかを考えてはいけません。これをおこたるといわば「木を見て森を見ない」脚本になってしまいます。

映画を見たり、スクリプトを手に入れたら「この話はいったいどういう話なのか?」「何を言おうとしているのか?」「なぜこの話はおもしろいのか?感動するのか?」などを考えてください。そしてそれが見ている人に伝わるためにどのような全体の構成になっているかを鳥瞰図的に把握するようにしてください。



methodacting at 17:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!脚本の書き方 

2006年07月30日

どんな話(ストーリー)がおすすめか?

フィニックス英語学院でドラマを作っていく場合、まず最初にどんな話(ストーリー)にするかを決めます。今回はどんな話がおすすめかについて話してみたいと思います。

1.ジャンルは何でも良い

ドラマにはコメディー、ミステリー、ラブストーリー、ミュージカルなどいろいろなジャンルがありますが特にどのジャンルがいいかということはありません。また映画、舞台劇、海外もの、日本ものなどもどれでもかまいません。どれを選んでも有利、不利はありません。ただそれぞれのドラマのタイプで気をつける点があります。それぞれの重要な点についてはまた別の機会に個別に説明してみたいと思います。

2.登場人物が多いものを

私がおすすめするのはなるべくたくさんの人が役として出れるものです。ドラマ作りは役者として舞台で演技することだけがすべてでなく、照明や、音響や舞台装置などを考えることももちろん大切な仕事です。しかし、私としてはできるだけたくさんの生徒さんに演ずることを経験してもらいたいという希望があるので、なるべく登場人物が多いほうが望ましいです。

3.男女の割合を考えて

フィニックスは男性より女性のほうが多いのでなかなか難しいのですがなるべくグループの男女の割合にあった話を選んだほうがいいと思います。男性が1人しかいないのに男の役が10人以上でるものなどはやはりさけたほうがいいでしょう。女性が多い場合はやはり女の役が多いお話のほうが活躍できる人の数が増えると思います。どうしても男女のバランスが悪い場合は男の役を女の役におきかえるか、男の役を女性が演ずることになりますが、ストーリー全体のバランスが悪くなることがありますから注意が必要です。

4.ストーリーが複雑なものは選ばない

フィニックスのドラマは制限時間が30分ですから長い話を短くまとめなければならないことがほとんどです。その場合もとの話が複雑だとどんなにがんばってもわかりやすくまとめることができないことがあります。ですからストーリーはあまり複雑なものは選ばないのが無難です。

よく登場人物5人くらいのストーリーが同時進行的にすすんでからみあっていくものがありますが、これなどは話をまとめるのが難しいタイプです。それぞれの登場人物のストーリーを全部いれようとして結局どれも中途半端になってしまうことがありますから気をつけてください。ストーリーとしては時間軸にそって一人の主人公のお話が順番に展開されるのがもっともわかりやすいと思います。



methodacting at 09:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!脚本の書き方 

2005年07月18日

このブログの趣旨

フィニックス英語学院ではプロジェクトワークというクラスがあってドラマやディベートなどをグループごとに英語だけで作って発表しています。毎回、発表会はコンテスト形式になっていて、すぐれた発表をしたグループを選んで優勝グループとして表彰するようにしています。

このブログはドラマ作りをしていく上で、「どんなところに注意してドラマの準備をしていけばよいのかを説明するために公開するものです。

またフィニックス英語学院の生徒さんだけでなく、アメリカのメソッド演技法や脚本の書き方に興味をもたれている方にも参考にしていただける内容にしていきたいと思います。

methodacting at 15:06|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!
Profile
稲垣弘道(ミスター)
一橋大学 社会学部 卒業
ニューヨーク大学 大学院 演劇教育科 修士課程修了

All about 50代からの英語 ガイド